「共に働き共に生きる地域を目指して」というスローガンを掲げたおれんじ村での、5日間の実習が終了した。緊張していた1日目から、あっという間に実習期間が過ぎてしまった。おれんじ村の皆さんが優しく、あたたかく迎えてくださり、とても楽しく充実した実習期間を過ごすことができた。
今回の実習で感じたことは、「会話の重要性」である。会話を通して、相手がどのような人なのかを知ることができ、反対に自分のことを知ってもらえるという経験を、今回の実習では多く体験した。相手の方の人間性や得意・不得意なことは何かなど、話すことで分かることが多くあると感じた。また、私自身がどのような人間であるかが伝わりやすく、話すことで共通の話題も見つかり、心を開いてくださる方も多くいらっしゃった。また、発語だけでなく、手話や筆談など、会話の仕方も様々であることも実感した。実習中、おれんじ村の方々とお話しする機会が多くあり、とても刺激を受けた。様々な考え方、感じ方があることを実感した。
おれんじ村の実習では、「できないことを教えるのではなく、できることを見つけていく」という考え方を体感することができた。「共に働き共に生きる」ためには、お互いが支えあうことが必要である。また、人によって得意・不得意なことが違うのは当たり前のことである。これは、障害者であっても健常者であっても変わらない。足りない部分を補い合い、協力し合い、尊敬しあうことが重要である。おれんじ村の皆さんは、仕事中、とても生き生きしていらっしゃると感じた。それは、このような雰囲気が全体にあるからだと思う。「自分らしさ」を発揮できる場所が、ここにあると感じた。おれんじ村の活動のテーマである「労働」は、誰もが人間らしく生きていくための権利なのだと、実習を通して強く感じた。
私は、実習前、「障害者労働センター」と聞いて、利用者と指導員のような関係があるのかなと思っていた。しかし、それは間違いであった。皆さんが対等な関係で、仕事をされていた。私は、実習前まで無意識に差別をしていたのだと気づいた。私は今まで、今回の実習のように、障害がある方と沢山ふれ合う機会がなかった。おれんじ村で一緒に働いてみることで、新しく気づけることが多くあった。これらの発見は、おれんじ村の皆さんと一緒に働き、話し、ふれ合ってみないと気づくことのできなかった事であると思う。今回の実習で感じたことや得たことは、私の視野を広げ、多角的な視点から物事を考えるきっかけとなった。何かを知ることは、考えることにつながると実感した。
これからも「当たり前」にとらわれず、様々な考え方ができるような人になりたいと思った。そして、将来教育に携わるとき、おれんじ村で学んだことを忘れずに、「当たり前」にとらわれずに様々な考え方ができる教員になりたいと思う。
くう