誰もが持つ苦手なことを助け合う

今回の実習を終えて印象に残ったことは三つあります。

 

 第一に、労働センターの方々がいろいろな思いをもって働いていらっしゃるということです。私は今まで、学校に併設された特別支援学校などを通じて、障がいのある方と交流する機会が少しありましたが、障がいのある方々と直接お話したことがなく、どのような思いを持っていらっしゃるか知りませんでした。今回の実習を通して、障がいのある方も私たちと同じように得意不得意があり、自分でできることはしたいという強い思いを感じました。以前までは、障がいのある方を特別視していた自分がいましたが、今回の経験を通して、障がいの有無に関わらず、できないことは助け合っていきたいと思うようになりました。

 

 第二に、障がいのある方は不便なことが多くあるということです。今回車いすで買い物をするという体験をさせていただき、自分が何も感じていないことも、車いすだと届かなかったり、移動しにくかったりと、不便な思いをするということがわかりました。以前、怪我のために車いすを利用したことがありましたが、病院の外に出たことがなかったため、病院の外ではもっと不便なことが多く、車いすで生活される方の大変さを感じました。一方で、店員さんやお客さんも手助けをしてくださり、私も困った方がいるときには進んで助ける勇気を持ちたいと思いました。

 

 第三に、話を最後まで聞くことの重要さです。今回いろいろな仕事を通じて、施設以外の方とも接する機会が多くありました。その中には、労働センターで働く方の話を最後まで聞かない方や、不安げに対応する方がおり、責任をもって働いている方を障がい者としてしか見ていないように感じ、とても嫌な気分になりました。そのような人々がまだまだたくさんいるという事実を目の当たりにし、とても悲しいとともに、もっと協力的な社会になってほしいと思いました。その一方で、とても協力的な方も多くいらっしゃって、私自身も協力的に行動できる人になりたいと思うようになりました。

 

今回の実習は、今までの考え方を大きく変え、気づかなかったことに気づく貴重な体験となりました。様々な人との交流を通して、今までの自分がいた世界の狭さと、まだまだ知らないことが多くあるということに気づきました。今回の実習を通して感じたこと、考えたことを忘れないようにしたいです。そして、今回の実習で得た、障がいの有無に関わらず、誰もが持つ苦手なことを助け合うという考え方を大切にしたいと思います。最後になりましたが、一週間という短い間にもかかわらず、私を優しく受け入れてくださった、おれんじ村の皆さん本当にありがとうございました。皆さんのおかげで、とても楽しい時間を過ごすことができ、記憶に残る実習となりました。この経験で学んだことを生かせるよう頑張りたいと思います。本当にありがとうございました。

 

みかん