必要な時に、必要な手助けを

人暮らしをされているはるみさんに、一人暮らしを始めるうえで大変だったこと、現在の生活、ジャニーズのライブのことなどのお話をしていただいた。

 

はるみさんは、買い物も一人で行くそうだ。よく行くスーパーなどは店員さんもスムーズに対応してくれ、利用しやすいとおっしゃった。私は、アルバイトをしているとき、障害がある方に、「財布を取ってお金を出してほしい」と頼まれたことがある。最初は「お財布を勝手に開けるなんて、失礼ではないだろうか、間違った対応をしていないだろうか」と少し戸惑ってしまい、恐る恐る対応したことを覚えている。

しかし、繰り返し来店してくださる中で、対応がスムーズにできるようになった。この店なら大丈夫と、お客様も安心して利用していただければと思っていた。はるみさんから、似たような場面において、実際にお客様目線の気持ちをお聞きすることができ、嬉しかった。お手伝いをすることが何かの助けになっていると実感でき、これからも私ができることはないか考えていこうと思った。

 

しかし、この「手伝う」という行為が、反対に障害者の負担になってしまうこともあると、はるみさんから学んだ。はるみさんは、「必要な時にヘルパーさんにお願いする」ことにしているとおっしゃった。

例えば、食材の買い出しは自分で行い、「これを作ってほしい」とヘルパーさんにお願いする。すべてを手伝ってもらうのではなく、できることは自分で行っている。人によって、一人でできること、助けが必要なことは違う。手伝う方は、多くのことをしてあげることが、相手にとっていいことだと思いがちである。しかし、その考えは危険であると感じた。

 

すべてを手伝うことは、相手の選択権を、自己決定権を奪うことにもなる。

 

相手が今どのような助けが必要なのか、相手に聞くことが重要であると感じた。はるみさんは、ジャニーズのライブに行く際も、一人で飛行機に乗って行くと知り、衝撃を受けた。様々な人に助けを借りながらも、ライブの時は基本一人で楽しんでいるそうだ。「手伝ってほしい」「こうしてほしい」とお願いすることで、買い物も、一人暮らしも、ライブだって一人で楽しむことができると知った。コロナウイルスが流行し、声をかけたり手伝ったりすることのハードルが高くなったことで、「どうすればよいのだろう」とお互いが思っていた時期もあった。しかし、必要な時に必要な手助けをできる・受けられるような環境、地域にすることが、重要であると感じた。

 

くう