介護体験だから気をひきしめないといけない」そのような気持ちで、くまもと障害者労働センターおれんじ村の多目的室に入った。私は、中学校の理科の先生になる事を目標にし、教育課程である介護体験等を体験するために、おれんじ村で実習をした。そして5日間の中で驚きや刺激など日常では体験できないことをしてきた。
まず、最初に驚いたことは、職員とメンバーに全くの「差」のような障壁がないということだ。話している時や仕事をしている時など職員とメンバーは、友達を超えて親友かのように接しているのだ。雰囲気はとても明るく和やかで笑いが絶えない職場だった。さらに、職員とメンバーと一緒にミーティングする時間もあるのだ。私が知っていた社会福祉施設は、障がい者と健常者というそれぞれの立場がありかつその立場には、目に見えない「差」が小さくもあり時には大きくなる時もあるのだ。私が、弁当作りやお菓子作り、掃除、更には弁当の配達に行っている時も、会話やコミュニケーションが絶えなくあり、「熊本出身なの?」や「がんばるね」などといった会話を交わし、ほめ言葉を多く頂いた。時には手話やジェスチャー、私のメモ帳で会話を図ろうとするメンバーもいて、周りの助力を頂きながら楽しく話をすることが出来た。
どうしておれんじ村は、他の社会福祉施設とは全く違うのだろうかと考えた。休憩している時、私と一緒に雑談していたMSさんにその答えを教えてくれた。MSさんによると「おれんじ村のみんなは、一人一人でゴールを目指すのではなく、みんなで一緒にゴールを目指している。」と話してくれた。それを聞いて私は納得した。皆違いがあるけれど、みんなでゴールを目指すことによって、差を生じずにかつ明るい雰囲気で仕事をすることが出来るのだ。
今の社会は、バリアフリーやユニバーサルデザイン、社会福祉施設などといった障がい者が普通に生活できるまたは社会で暮らしやすい工夫を与え「差」をなくそうとしている。 しかし、これで良いのだろうか?健常者や障がい者、私、皆さんを含めて、それぞれ性格や感情、得意不得意、好き嫌いなどといった要素を持っており、それらを組み合わせると千差万別になる。一人一人が持っている考えを他の人に押し付け「差」が生じる前に、話し合う・接する事で「差」を減らすことが可能であると考える。
おれんじ村は、この「差」を小さくするために全員が日々努力し活動をしている所だ。このブログをきっかけに障がい者と向き合い話し合う事の大切さ、「差」を生み出さないためにはどのようにすればよいのかといった考えを持ってはいただけないだろうか。
私は、おれんじ村で実習を行って、とても幸運でした。体験で得た様々な刺激、考えを今後の学生生活及び将来先生になった時に、存分に活用していきたいと思います。一週間という短い間でしたが、優しくそしてフレンドリーに接してくれたおれんじ村の方々に感謝の気持ちを送ります。本当にありがとう御座いました。
MASUMIZU