苦手」より「得意」なことを

介護体験をする以前は、教員免許を取得するにあたってなぜ、介護等体験が必要なのだろうかと考えていました。事前説明に来た際に、職員の方からおれんじ村の説明を受けました。その際におれんじ村は障害を持った方々が自立して生活するために障害を持った人でも労働する環境を作るために始めたものだということを聞きました。その際にもやはり、働いている場所ならばなおさら、教員を目指す自分にとっては関係ないものではないかと感じていました。しかしネガティブなことを思っていても仕方ないと自分に言い聞かせ、障害を持っていながらも皆さんが働いている場所なのだから楽しみながら自分も一緒に仕事をしようと思い初日を迎えました。

初日は初めて会う方も多いということで少し緊張しながらおれんじ村に入りました。するとすぐにそこで働く人に、名前や出身地、どのようなことが好きで、どのように学校生活を送ってきたのか聞かれ、答えると、冗談交じりでおれんじ村についてや、自分のことについて話してもらいました。この談笑は最初の仕事場でも続き、すぐに緊張が取れました。これにより、おれんじ村は皆さんが楽しそうに皆さんが働く場所という第一印象になりました。

初日から初めての経験の連続でした。お菓子を製造する部では、厨房で、生地作りやクッキーの型抜き、お菓子の包装やシール張りなどを行いました。お弁当を作る部では、厨房で、おかずを弁当に詰める作業を行い、注文をもらう各所に納品や販売に出たりしました。販売をする部では、学校や企業でおれんじ村で作ったお菓子類や仕入れたお菓子類を販売しました。このように皆さんが働く場所に実際に入り、一緒に働く中で感じた事は、障害を持つ人やその職員関係なく皆さんが生き生きと働いているなということでした。その働く内容も職員の皆さんが、障害を持つ人たちにその人たちができることや、得意な分野を任せ、誰一人として取り残さず働けるようにしていました。今までの障碍者が働く場所というイメージは、障碍者の皆さんが働き、職員の方々がそれをサポートするというものでしたが、実際は障碍者がこのように生き生きと自分のできることを行い、職員の人たちも自分の仕事をするというものでした。

おれんじ村で学んだ事としては、障碍者ができないことに目を向けるのではなくて、できることや得意なことを理解して、それをできるようにサポートすることが大切だということです。介護体験を通して、教員になっても様々な生徒の苦手な部分に目を向けるのではなくてその生徒の得意なことをしっかり伸ばしてあげることも大切ということにつながると感じました。本当に介護等体験におれんじ村に来てよかったなと思います。一週間ありがとうございました。

 

Gunji