おれんじ村に教えてもらったこと ~おれんじ村での5日間の実習を通して~

コロナ禍のなか、一週間の介護等体験実習を受け入れてくださり本当にありがとうございました。

中学の教員免許を取るための教職課程の一つとして今回の実習を体験したのですが、正直行くまではどうして教員になるために介護体験が必要なのだろう、支援学校の体験だけでいいんじゃないかと思っていました。また、行くまではどうなることかととても不安で、緊張しつつ実習に向かいました。しかし、来てみると皆さん優しくて心配や不安なんて忘れるくらい実習が楽しくて仕方がなかったです。実際に一週間実習に来て分かったのは、障害があるとかないとかなんて大した差ではなく、みんな同じだということ。そして、出来ない事を中心に考えて動くのではなく、出来る事を重視しているということ。私は今まで、学校の授業などで「障害者の方は出来ない事が多いので声掛けをして手伝いましょう」「障害者の方には優しくしましょう」というようなことばかり学んできたように思います。なので、意識のうちに自分がサポートする側なのだという気持ちを持っていたことに気づきました。しかし、おれんじ村ではそのような事は一切なく、障害の有無など関係なしに一人一人の出来る事を考え、それに合わせた仕事をしていました。そのことを目の当たりにし、自分が無意識に持っていた障害者の方に対するイメージが間違っていたこと、障害のあるなしにかかわらず、ひとりひとりの出来る事を考えて行動するのが大切なのだということに気づきました。この気付きは、教師として働くうえで大切なものになるだけでなく、日常でも必要な気づきだと感じました。おれんじ村で実習していなかったら、この気づきは無かったんじゃないかなと思うし、それぞれが出来る事を考えて動くということは障害のない人や生徒にも生かせることだと思います。本当に大切なことをおれんじ村に教えてもらいました。

 また、おれんじ村で働いている方はみんな明るく優しくて、たくさん話しかけてくれて本当に嬉しかったです。実習に来るまでは、ちゃんとコミュニケーションが取れるのかということも不安だったのですが、「会話は声だけが手段じゃない」ということも皆さんとのコミュニケーションを通じて教えて頂きました。手話や筆談、フィンガーボードやジェスチャーなど、いろんな方法でたくさんの方と会話する事が出来ました。毎日色んな仕事を一緒にしながらお話しするのが楽しくて一日一日があっという間で、毎日実習に行くのが楽しみでした。

一週間という短い時間ではありましたが、おれんじ村で実習させて頂き本当にありがとうございました。自分では希望を出せないこの実習で、おれんじ村で実習できたのはラッキーだったなあと思います。みなさんと一緒に働く事が出来て本当に嬉しかったし、この一週間は私の宝物です。本当にありがとうございました。

 

(いとくま)