自立性を重視する環境づくり(実習生の感想)

 今回くまもと障害者労働センターおれんじ村での5日間の実習を終えて、私は多くの事を学ぶことができました。この5日間、利用者、スタッフの方々と一緒に作業を行わせていただきましたが、一緒に作業をして特に感じた事として、スタッフと利用者との関係があります。作業を行う際、利用者の方々は自分に課せられている業務を黙々と丁寧に素早くこなしており、スタッフと連携して業務が進行していました。私の想像していた介護、障害者労働施設の現場はスタッフが全面的にサポートして、利用者がスタッフの指示に従って動く、サポートされるというものでした。しかし、おれんじ村はスタッフと利用者が対等な関係で、利用者の自立性、積極性を促すものでした。また、このことに関して、月2回ほど開かれるスタッフと利用者が話し合う全体ミーティングに参加させていただいたのですが、その際、スタッフが一方的に話を進めていくのではなく、利用者一人ひとりにも意見を求めており、利用者もそれに対してこうして欲しいという要望、意見が述べられており、そういった環境づくりを重視しているのだと感じました。

 また、業務を行う上でスタッフの方々に色々な話を聞くことができたのですが、その中でも特に印象に残ったものに利用者の保護者が笑顔で利用者を送り出しているというものです。障害のある子が働くということは保護者としては少なからず不安があるものだと思います。そういった中でも、笑顔で送り出すというのはおれんじ村がそれほど信頼できる場所であるということだと思います。また、利用者の方々と配達も行ったのですが、配達先の方々からも笑顔で迎えられており、地域からの信頼も得ているのだと感じました。私自身も5日間実習をして、おれんじ村での利用者、スタッフの方々の笑顔をたくさん見て、とても安心できる雰囲気のよい場所だと感じました。

 最後に、私は今まで高校教諭になることだけを考えてきました。しかし、今回の実習を通してこのような福祉関係の職業に携わるのも自分にはあっているように感じ、将来の選択肢の1つとして考えるようになりました。たった5日間でと思われるかもしれませんが、それほどこの5日間は自分にとって大変貴重な時間でした。おれんじ村のみなさん5日間大変お世話になりました、本当にありがとうございました。

 

                                てるてるぼうず