恩人からのメール

おれんじ村村民の僕が今あるのは、

強子さんと出会ったから。

 

出会いは、入所施設で。

あなたが、障害がどんどん重くなり、

自分でできることがほとんどなくなって

生活全般に介助が必要になっている頃でした。

 

それでも、だからこそ、

『施設を出て地域で暮らしたい。』というあなたの声に、

正確には、

文字盤を使って、

一文字づつ、ゆっくりと、でも力強く

指差しで伝えてくれた『ことば』

 

障害者を人としてみていなかった自分に気づいた。

初めて自分が障害者を差別していることを知った。

 

障害者が施設で暮らすことに

何の疑問もなく、当たり前だと思っていた。

しかし、あなたは一人の人間として、

地域で暮らしたいと願った。

 

入所施設が誰のためにあるのか?

障害者の安心・安全な暮らしのためなのか?

障害者が望んだからなのか?

 

あなたとの出会いで、たくさんのことを考えた。

今まで何も疑わずに

当たり前に暮らしてきた日々を…

 

あなたとの出会いで、たくさんのことを知った。

障害者を排除する社会を…

 

あなたとの出会いで、たくさんことを…

 

今でも強子さんは施設で暮らしている。

メールがとどいて

僕の胸は、今にも張り裂けそうだ。

 

僕にたくさんのことを教えてくれたのに、

僕は何も…できていない。

 

あなたの詩、何度も読み返しました。

 

あなたと出会った頃を思い出しました。

 

今、僕にできること

悩み続けながら前に進みます。

 

*熊本県庁に展示されるそうです。

良かったら、ぜひ観ていただけるとうれしいです。