みんなが寂しい思いをしない社会を築くために

 中学から六年間地元を離れて寮で生活をしていた、やっさんとお話をする機会を頂きました。「障がいをもつ人とそうでない人が理解し合うためには一緒に過ごすことである。」ということを、自身の経験から語ってくださいました。

 

 やっさんは、親と先生に言われて寮で生活をすることになりました。寮での生活は時間に縛られ、自由に過ごすことのできる時間が1時間しかなく、テレビなどの娯楽もありませんでした。夏休みに実家に帰っても地元の友達がいません。寮に友達はできましたが、現在思い出を話し合うことのできる友達はいません。寂しい思いをしてきたやっさんは、障がいをもつ生徒のためにある寮の不必要性を訴え、「タイムマシーンがあれば戻りたい。」とおっしゃっていました。

 

 「インクルーシブ教育」という言葉がありますが、私はその取り組みの実現の難しさを感じていました。理由は、クラスの運営の難しさを目の当たりにしたからです。

 私は、中学校の教員を志望していて、つい最近教育実習にも行きました。その中学校ではインクルーシブ教育が進んでおり、クラスの5人にひとりは何かしらの障がいをもっていました。私は全員と仲良くなりたくて、全員と沢山コミュニケーションを取るようにしていましたが、どこか心の中で区別してしまい、心苦しさや申し訳なさを感じていました。その中でクラス全体の運営の大変さに苦悩する先生方の姿をたくさん見てきました。

 

 そのため、「インクルーシブ教育」についてはまだまだ課題がたくさんあるように感じているのですが、それよりも大切にしなくてはならないのは、やっさんのように寂しい思いをする人を作らないような社会を築くことだと学びました。そのためにも、人々が共に過ごし、理解し合う時間を設けることが必要不可欠なのだなと思いました。

 

 今回のお話を通して、私は障がいをもつ方への理解を深めることの大切さをあらためて

学びました。そして、寂しい思いをする人を作らないような社会を築いていくために、クラスの全員に暖かく寄り添うことのできる教員を目指してこれからも頑張っていきたいと思います。

 

みずモン